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2015年7月17日

受賞おめでとう!

―いま、旬は仙台新水族館と思っていた。それを紹介しようかなと思っていたら、
気になるニュースが流れていたので、そっちを書いてみる。
ただし小生のそれはまったくの拙文である。


【受賞おめでとうございます】
いま時代に文学の世界は光が仄暗く、だれが賞を取った…なんてのは新聞の欄の下部に紹介されている程度。

されど、この人が出てきてからは、この世の中に埋もれかかっている本読み人に、頭上にまぶしく嬉しい光が差し込んで入ってきました。


気になっていた第153回芥川賞(日本文学振興会主催)。
タレントの又吉さんが選ばれる。(受賞2名)

芥川賞選考員の先生方は、それは一筋縄でないメンツ。なかなかどうしてトップ当選満場一致ですから、素晴らしいモノです。
先生方も、タレントの…お笑いの…と捉えてなく、小説家として選考した由。

私もこの受賞した火花を上梓するずっと以前に、彼の随筆を読んでいました。
やはり太宰治の傾倒ぶりに、共感し視点と筆致には面白いなと。

「あのね、東北大学付属図書館に、あの太宰直筆*の“人間失格”がある事、知っているかな。又吉さん。」(*コピー製本)

「…知っとるわ」(くぐもった声)

この時代は、物質世界の一辺倒。いかにコストを見て物を造りだす事にお金をかけている。

一方、文章で万象を描き出す文学は、それは地味。いかに小説なんて読まなくても、この時代、充分生きていける。ゴハンも食える。

だけれども、機械(パソコンでも)で生身の人間のこころの中(うち)を読み取れる事は永遠に出来るまい。

文学は、紀元前より既に、ヒトのこころのうちを表現している。しかも、まったく同じココロなんて、絶対ありえない。

時にツラい時に読む本、悩める時に、嫉妬する時に、浮かれている時に、誰かを殴りたい時に、自慢してハナ持ちならない時に、ケンカして仲直りが出来ない時に、眠れない時に。それぞれの本。



本は、本の方から人のこころに寄り添ってくる。

こころは本に「どうですか」と聞く。

だから、小説や物語、詩などは人に安らぎを与えてくれると思う。
わずかな「ふっ」と息をかけるように。


7月17日払暁にて
「画像は7月1日開業、紹介しようと思ったうみの杜水族館の練習風景」


宿泊課 遠藤


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