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「安全・安心・快適に」ご利用いただくために。ホテルモントレ仙台の制振構造について

お知らせ

ホテルモントレ仙台では、株式会社大林組が開発した制振装置『ブレーキダンパー』を採用しています。
この『ブレーキダンパー』は、建物の揺れエネルギーを吸収する装置で、このたびの東日本大震災においてもお客様に安全・安心な施設をご提供することができました。

■全体構造計画

ホテルモントレ仙台では、この度の東日本大震災に代表される大規模地震において、お客様が安全・安心に、また快適に施設をご利用頂けるよう、(株)大林組が開発した制振装置『ブレーキダンパー(高力ボルト摩擦接合滑りダンパー)』を採用した制振構造の建物としています。

この制振装置は、ブレースおよび間柱に組み込まれており、建物全体の剛性バランスに配慮しながら、ブレース型については建物コア周りに、間柱型は主に客室の戸境部などに配置しています。また、建物の形からの各条件(各階宴会場[アドリア][ルツェルナ][翠鳴館]・和神殿[天翔殿]の高階高・吹抜・無柱空間の確保や、上層階客室部でのL字型平面形状など)に対しては、構造種別の組合せや、耐震要素の配置など、各種工夫を施すことによって、安全・安心に配慮した設計としています。

■架構計画

架構形式は、高い剛性と強度を確保するために、2階以下をRC(鉄筋コンクリート)造耐震壁を有するSRC(鉄骨鉄筋コンクリート)造とし、階高の高い3~7階や、建物の平面形状が長方形からL型へ変化する8階においては、特に剛性の高いCFT柱(鋼管コンクリート柱)と鉄骨梁によるラーメン架構の構成としています。また、高層部である客室階には、柱・梁とも鉄骨ラーメン架構を採用することで建物全体の剛性や耐力のバランスに配慮した構造形式としています。

3階以上のラーメン架構内には、制振装置を組み込んだブレース及び間柱を配置し、建物を支える柱や梁の、地震力からの負担を軽減しています。
基礎構造においてもN値60以上の硬い地盤(凝灰質砂岩層)を支持地盤とした直接基礎としています。

■制振構造による高耐震性の確保

今回のような大地震時においても主体構造が大きな損傷を受けないよう、制振装置『ブレーキダンパー』を組込み、耐震安全性を確保しています。この制振装置はブレースや間柱の継手部分に、摩擦材と滑り材を挟み込んだ形状としており、一定以上の力が作用し、継手部分が滑ることによって、地震のエネルギーを吸収する機構となっています。

また、ボルトの締付け力を調節することにより、強風時にはブレーキダンパーが滑らず高い剛性を保ち続け、居住性能を確保するとともに、揺れの大きな地震時においてはブレーキダンパーが滑り、制振効果を最大限発揮する構造となっています。

株式会社大林組 大阪本店構造設計部:西村勝尚、渡辺律夫、中村吉秀

お問い合せ

TEL 022-265-7110

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