展覧会のご案内

山王美術館ではコレクションによる企画展を、春夏と秋冬の年2回開催しております。
当館のみでご覧いただける珠玉の作品の数々を、心ゆくまでご鑑賞いただけます。

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山王美術館 10周年記念展

コレクションでつづる「フランス近代名画展」

2019年3月1日(金)~7月31日(水)

山王美術館は、2019年8月に開館10周年をむかえます。春・夏季のコレクション展では、10周年を記念して「コレクションでつづる フランス近代名画展」を開催いたします。 19世紀から20世紀にかけてのフランス美術は、印象派以降、象徴主義、ナビ派、フォーヴィスムと、さまざまな主義や美学のもと、多様に展開していきました。画家自身の感覚にもとづく、独創的な絵画をめざした芸術運動により、革新的な絵画表現がうみだされ、ルネサンスからはじまる西洋絵画の価値観が大きく変革することとなりました。同時代に活躍した、ミレー、ルノワール、モネ、ボナール、ヴラマンクをはじめとする画家たちにより、西洋絵画史に多彩かつ豊かな実りがもたらされたのです。本展では、当館においても非常に重要な位置をしめる、これらの作家たちによるフランス近代名画の数々を一堂に展示いたします。展覧会をつうじて、あらためて芸術にふれる喜びを実感いただきますとともに、山王美術館コレクションへの愛着を深めていただければ幸いです。

出展作品リスト

ピエール=オーギュスト・ルノワール≪果物をもった横たわる裸婦≫1888年、山王美術館蔵

ピエール=オーギュスト・ルノワール≪果物をもった横たわる裸婦≫1888年、山王美術館蔵

山王美術館 秋・冬季コレクション展2018

没後90年 佐伯祐三・没後30年 小磯良平 展

2018年9月3日(月)~2019年1月31日(木)

佐伯祐三の没後90年、小磯良平の没後30年を記念して、山王美術館コレクションによる回顧展を開催します。画家としての生涯を「描くこと」ただそれだけに捧げ、ひたすらに独自の画風を追い求めた佐伯祐三と、西洋絵画の伝統を踏まえたアカデミックな表現方法により、日本の洋画界の発展に大きく貢献した小磯良平、関西が生んだふたりの画家がそれぞれにめざした、芸術の世界をぜひご覧ください。

出展作品リスト

佐伯祐三≪パリの街角≫1925/山王美術館蔵

佐伯祐三≪パリの街角≫1925/山王美術館蔵

山王美術館 春・夏季コレクション展2018

没後50年 藤田嗣治展 Leonard Foujita

2018年3月1日(木)~7月31日(火)

ここでしか見られない、藤田嗣治!
コレクション28点でたどる軌跡。モディリアーニ、シャガール、キスリングなど名だたる芸術家を輩出した1920年代のパリ。「エコール・ド・パリ」と呼ばれる画家たちが活躍したこの時代に、藤田嗣治(1886-1968)は、白い地塗りを施した独自のキャンヴァスに、日本画の墨線に着想を得たしなやかな線描で描いた「乳白色」の裸婦像で人々を魅了し、パリ画壇の寵児と称されるようになりました。没後50年に開催される本展覧会では、初期の風景画・水彩画から晩年多くえがかれた子ども像まで、油彩画を中心とした山王美術館コレクション全28点を一挙に展示いたします。
藤田嗣治がめざした美の世界をぜひご覧ください。

出展作品リスト

山王美術館 秋・冬コレクション展2017

梅原龍三郎と同時代の画家たち

2017年9月1日(金)~2018年1月31日(水)

大正・昭和を通じて日本の近代洋画界をリードした画家・梅原龍三郎は、京都の大きな染呉服問屋に生まれ幼少の頃より日常的に、友禅染の図案や宗達・光琳風といった京都の伝統的な装飾美術を目にする環境で育ちました。15歳で梅原は、日本洋画確立期を代表する画家の浅井忠が開設した聖護院洋画研究所で厳格なデッサンを学びます。その後のフランス留学では生涯の師となるルノワールに師事し、ヨーロッパ美術を通して様々な芸術を体験します。帰国後、ルノワールに見出された華やかな色彩感覚に浮世絵や桃山絵画風の豪華な装飾性を加味した、骨太い線と豪華絢爛たる色彩の作品を生み出します。本展では梅原の作品を中心に親しく交流のあった、ルノワール、岸田劉生、中川一政をはじめ、林武、浅井忠、安井曽太郎など同時代の画家たちの作品をコレクションより一堂に展覧致します。豊潤かつ明快な色彩を用い、浮世絵、琳派、南画など日本画の伝統を洋画の中に融合させ独自の画境を築いた梅原芸術をどうぞご覧ください。

出展作品リスト

山王美術館 春・夏コレクション展2017

フローラ―花々と美の饗宴―

2017年3月1日(水)~2017年7月31日(月)

「Floraフローラ」とは、ローマ神話における花と豊饒をつかさどる春の女神のことです。ボッティチェリ≪春 (プリマヴェーラ)≫が有名ですが、ティツィアーノ、レンブラントらも神話画として描いています。また、女性を描く際のモチーフとしてたいへん好まれ、フローラにふんした数多くの肖像画が残されています。『源氏物語』においても「藤の花」や「桜」など、女性を花にたとえる場面がありますが、女性と花々の美は洋の東西をとわず共通するものなのかもしれません。ルノワールは花を描きながら女性の肌の色調を研究したといいますが、ふたつの画題は優雅かつ繊細なモチーフとして、多くの画家たちを魅了したのでしょう。本展では、ルノワール、キスリング、藤田嗣治、上村松園など、さまざまな画家による花と女性を描いた作品を一堂に展覧いたします。花々と美の饗宴へどうぞお越しください。

出展作品リスト

ピエール=オーギュスト・ルノワール≪果物をもった横たわる裸婦≫1888/山王美術館蔵

ピエール=オーギュスト・ルノワール≪果物をもった横たわる裸婦≫1888/山王美術館蔵

山王美術館 秋・冬コレクション展2016

横山大観展―「画は人なり」近代日本画の創始者―

2016年9月1日(木)~2017年1月31日(火)

明治元年に生を受けた横山大観は明治、大正、昭和と三代にわたり、東洋画の伝統を重んじながらも新しい画風に挑戦し、近代日本画の発展に偉大な功績を残しています。70年にも及ぶ長い画業の中で大観は日本画の伝統的な線描技法ではなく、色彩の濃淡により空気や光を表現する方法を創始します。しかし、そうした試みは当時の人々には受け入れられず非難と揶揄も込めて「朦朧体」と評されました。大観らはその後、細かく丁寧な筆致で絵具を塗りこめていく手法で、対象物の明るい色調とはっきりとした輪郭線をとりもどしていきます。この手法により微妙な色の階調や色彩の対比、空間の奥行きの表現を獲得します。1910年代(明治末頃)には琳派などの装飾的表現を加えることで、色彩を本位とした新たな空間表現を確立していきます。また、水墨画においても墨の濃淡により湿潤な空気感を表現することで重厚さと画格の高い水墨画を生みだしました。 日本画の近代化に正面から取り組み、その苦闘により生み出された作画は、質高く、充実したものであり、いまなお我々を魅了し続けます。 本展では当館収蔵の大観コレクションのなかより初期作品《布袋》から大観の好んだ富士を含む18点を展示します。 横山大観の世界をぜひご覧ください。

出展作品リスト

横山大観《三保の霊峰》1949/山王美術館蔵

横山大観《三保の霊峰》1949/山王美術館蔵

山王美術館 春・夏季コレクション展2016

ルノワール展―描くことは生きる悦び―

2016年3月1日(火)~7月29日(金)

ルノワールは絵画について「愛らしく、喜ばしく、かわいらしいものでなければならない」と語っています。描くことに自身の生きる悦びを見出し、描くことを愛したルノワールの作品は、わたしたちに光と色彩に満ちあふれた、幸福感につつみこまれるような時間をもたらしてくれます。まさに生命の豊かさ、生きる悦びへのおしみない讃歌といえるでしょう。 本展では、若き日のルノワールによる《鏡の中の婦人》、晩年の傑作《裸婦》、さらに新たにコレクションに加わった《果物をもった横たわる裸婦》まで、当館所蔵作品のなかより、一堂に展示いたします。 ルノワールの愛に満ちた世界につつまれてみませんか。

出展作品リスト

ピエール=オーギュスト・ルノワール《裸婦》1918/山王美術館蔵

ピエール=オーギュスト・ルノワール《裸婦》1918/山王美術館蔵

山王美術館 秋・冬季コレクション展 2015

東西美人画展 ―ルノワール、キスリング、
小磯良平から上村松園まで―

2015年9月3日(木)〜2016年1月31日(日)

女性のもつ美しさを表現することは、古今東西永遠のテーマと言えるのではないでしょうか。わが国においても飛鳥美人にはじまり、中世の絵巻物、さらには江戸の浮世絵と、それぞれの時代、風俗を反映した美人像の流れをたどることができます。明治期に日本の伝統的絵画の総称として、日本画ということばが考えられたのに続き、大正期には日本画のなかに「美人画」というジャンルが現れますが、こうした美意識の再発見こそが、わが国の近代絵画をより彩りあざやかなものにしたことは間違いありません。一方、西洋においては古代ギリシアの女神像に女性表現の発端をみることができますが、ルネサンス期に女性像は見事に復活し、印象派、エコール・ド・パリの時代になると、女性像は絵画の中心的モチーフともいえる位置を占めるようになりました。
本展では、当館コレクションンのなかから、さまざまな技法によって描かれた女性像を一堂に展示いたします。

出展作品リスト

モイーズ・キスリング《休息する少女》1927/山王美術館蔵

モイーズ・キスリング《休息する少女》1927/山王美術館蔵

山王美術館 春・夏季コレクション展 2015

風景画展―荻須高徳を中心に―

2015年3月1日(日)〜7月31日(金)

洋画における風景画の歴史は浅く、独立したジャンルとして確立したのは、わずか400年前の17世紀オランダにおいてでした。19世紀の欧州では、産業革命にともなう工業化によって、破壊されていく自然の価値が見直され、自然主義が主流となります。美術界においてもコローやミレーらバルビゾン派、ブーダンら外光派の登場により、風景画が重要なジャンルとして位置づけられていきました。こうした自然志向は印象派へと継承されますが、わが国の洋画受容期がこの時期に重なったことにより、多くの画家が風景画に取り組みます。
1910年前後の比較的早い時期に洋画の本拠地パリを目指した画家には、梅原龍三郎、藤田嗣治らがおり、20年代になるとその数は飛躍的に増え、佐伯祐三、岡鹿之助、荻須高徳など、多数の留学生がパリで学びました。なかでも荻須高徳は、50年間もの長きにわたって、パリに定住しパリを描いた異色の作家であり、その才能はヨーロッパでいち早く評価されました。
本展ではこうしたわが国の洋画成立期において、パリ画壇と深い関係をもちながら、日本人としてそれぞれが独自のスタイルを確立させた画家たちの風景画を展示します。

出展作品リスト

山王美術館|開館5周年記念

珠玉の日本画
コレクション展 ここだけで出会える名画の数々。
珠玉のコレクションを一堂に。

2014年9月4日(木)〜2015年1月31日(土)

山王美術館開館5周年記念として、当館の日本画コレクションのなかより、代表的な作品を一堂に展示する「珠玉の日本画コレクション展」を開催いたします。
今日、私たちが慣れ親しんでいる「日本画」とは、明治期の開国とともに、西洋から入ってきた洋画・油絵に対比する概念として用いられた名称であり、狩野派、円山四条派、南画、浮世絵など、江戸時代のさまざまな流派が流れ込んだ、新たな日本画の誕生を意味するものでした。以後、大正・昭和へと続く100年の歩みの中で、伝統への回帰、あるいは洋画との融合など、かつてない試練と探求を重ねながらも、近代日本画の世界は実り豊かに広がっていきました。
本展ではこうした激動の時代にあって、新たな日本画創生の礎を築いた、横山大観、川合玉堂、小林古径、前田青邨をはじめ、新時代の美人画を描いた、上村松園、伊東深水、さらには斬新な感覚で表現方法を一新した東山魁夷、杉山寧らの作品を展示いたします。
清新な美意識によりうみだされた、近代日本画の粋をお楽しみください。

出展作品リスト

小林古径《琴》1929/山王美術館蔵

小林古径《琴》1929/山王美術館蔵

山王美術館|開館5周年記念

珠玉の洋画
コレクション展ここだけで出会える名画の数々。
珠玉のコレクションを一堂に。

2014年3月1日(土)〜7月31日(木)

山王美術館の開館5周年を記念して、当館の近代洋画コレクションのなかより、代表的な作品を一堂に紹介する「珠玉の洋画コレクション展」を開催いたします。
近代の美術界は、西欧趣味への憧憬や伝統への邂逅のなか、あらたな美術の境地を開いた名匠が多く輩出され、多くの傑作が誕生した時代でした。葛藤や苦悩、試行錯誤しながらも、ひたむきな情熱をもって生み出された作品は、創造のエネルギーにあふれ、今なお観る者を魅了してやみません。
当館コレクションの中核をなす近代洋画の名作の数々を一堂に展覧いたします。珠玉のコレクションとともに、豊かな感性と美を愛する歓びにつつまれるひと時をお過ごしください。

出展作品リスト

ピエール=オーギュスト・ルノワール《読書〜赤とローズのブラウスを着た二人の女性〜》1918/山王美術館蔵

ピエール=オーギュスト・ルノワール《読書〜赤とローズのブラウスを着た二人の女性〜》1918/山王美術館蔵

山王美術館 秋・冬季コレクション展 2013

Leonard Foujita藤田 嗣治展 東洋の精神が息づく、美の極み。

2013年9月1日(日)〜2014年1月31日(金)

1920年代のパリには、パリの芸術風土の自由な雰囲気を求めて、さまざまな国籍の芸術家が多く集いました。イタリア出身のモディリアーニ、ロシアのシャガール、ポーランドのキスリングなど、自国の民族性や文化的背景を反映させた独自の画風を展開していきます。彼らは特定の活動や流派に拘束されることなく、叙情的で表現主義的作品を描き、やがてエコール・ド・パリ(パリ派)と称されるようになりました。
名だたる芸術家を輩出したこの時代に、エコール・ド・パリを席巻した日本人画家が「藤田嗣治」です。
1913年、27歳でフランスへの留学を果たした藤田嗣治は、パリ・モンパルナスにアトリエを構えます。モディリアーニ、スーチン、ピカソらと交友しながら、ついに白い地塗りを施した独自のキャンバスに、日本画の墨線に着想を得た、しなやかな線描で描きあげる作品を生み出すのです。独特の乳白色に輝く、美しい肌を持つ裸婦像は「グラン・フォン・ブラン-偉大な白-」とパリ画壇で絶賛され、高い評価をうけ、国際的画家としての一歩を踏み出しました。
本展覧会では、エコール・ド・パリの寵児として活躍した藤田嗣治の作品を中心に、ローランサン、岡鹿之助など同時代の作品をあわせて展示いたします。
東洋の精神性が息づく、藤田嗣治による美の世界をぜひご覧ください。

出展作品リスト

山王美術館 春・夏季コレクション展 2013

小磯良平・金山平三展神戸が生んだ二人の巨匠。

2013年3月1日(金)〜7月28日(日)

神戸が生んだ日本を代表する洋画家、金山平三と小磯良平。ともに神戸・花隈に生まれ、東京美術学校を首席で卒業したのち欧州へ遊学と足跡が重なります。風景と女性像と対象にしたモチーフは異なるものの、澄んだまなざしでとらえ真摯に描かれた作品は、静かな気品をたたえています。
1883年に神戸に生まれた金山平三は、東京美術学校で黒田清輝らに師事し、首席で卒業したのちは助手として大学に残ります。1912年に渡欧し1915年に帰国するまでの間、パリを拠点にヨーロッパ各地を訪れ、精力的な制作活動を重ねます。帰国後は卓越した技術力が高い評価を得、文展で受賞を重ね36歳にして帝展審査員に選ばれます。しかし1935年の帝展改組を機に中央画壇を去り、以後いっさいの展覧会に不出品となります。その後は日本各地への写生旅行を重ね、自然と対峙しながら、絵具の色面で構成する手法で、日本の気候と風土に根差した風景を情感あふれる筆致で描き続けました。生涯を純粋に無心に描くことだけにささげた、まさに孤高の画家と言えます。
一方、小磯良平は1903年に神戸に誕生します。東京美術学校では荻須高徳らとともに画架を並べ、藤島武二に師事します。在学中に帝展入選、特選と受賞を重ね、完成度の高い作品で画壇に鮮烈なデビューを果たし、卒業の翌年にフランスへ渡ります。遊学中は古典的な絵画表現を研究するとともに、積極的に欧州文化を吸収します。帰国後は精力的に絵筆を握り、西洋絵画の伝統を日本に根付かせるべく、さまざまな表現方法に積極的に取り組みます。確かなデッサン力と計算された構図、巧みな空間処理で、気品あふれる女性像を多く描きました。また母校の教授として教鞭をとり、後進の指導にあたり、日本の洋画界に大きく貢献しました。
生前、金山平三は小磯良平に「君は線で描くんだろう、僕は色で描くんだ」と語ったといいます。みずみずしく豊かな色彩と清らかな線描にいろどられた世界をぜひご覧ください。

出展作品リスト

山王美術館 秋・冬季コレクション展 2012

横山大観展 「画は人なり」−近代日本画の創始者

2012年9月1日(土)〜2013年1月27日(日)

明治、大正、昭和の長きにわたり活躍した横山大観。
古典の精神に学ぶとともに、師・岡倉天心の影響を大きくうけ、新たな時代にふさわしい日本画の創造を標榜します。在来の常識にとらわれず、題材・技法・構成と常に革新的な手法を試みつづけ、近代日本画壇の礎をきずきあげました。空気や光による情緒的表現を目指し到達した色的没骨法、色彩による詩情豊かな表現の彩色画、墨の濃淡により湿潤な空気感までも描きあげた格調高い水墨画と、各時代の心情や精神が反映された「想の芸術」を、次々と発表しました。
「画は人なり」と語り、日本画の究極は「気韻生動」に帰着すると主張し、高邁な精神性をやどす作品を目指しました。天心の理想一筋に、無窮の芸術を希求し続けた横山大観の作品をぜひご覧ください。

出展作品リスト

横山大観《東山》1932〜35頃/山王美術館蔵

横山大観《東山》1932〜35頃/山王美術館蔵

山王美術館 春・夏季コレクション展 2012

佐伯 祐三展純粋なる魂を描いた、夭折の画家。

2012年3月1日(木)〜7月29日(日)

生命の火を燃え尽くすかのように、純粋に、ひたむきに描き続け、わずか30年の生涯をパリの地で終えた佐伯祐三。本展覧会は、1923年にはじめて渡仏し自己の芸術を模索した第一次滞欧期、1926年の一時帰国期、1927年に再渡仏し彼の地で没するまで描き続けた第二次滞欧期、それぞれに描かれた佐伯祐三の作品15点を一堂に展示するものです。
大阪・中津の名刹の次男として生まれた佐伯祐三は、府立北野中学(現・北野高校)在学中より本格的に画塾でデッサンを学びはじめます。1917年には上京し、川端画学校で藤島武二の指導をうけ、翌年には東京美術学校(現・東京藝術大学)に入学します。卒業後の1923年にフランスへと渡った佐伯の画風は、野獣派(フォーヴィズム)の巨匠ヴラマンクの元を訪れた際に、自信作を「アカデミック」と一喝されたことが契機となり、大きく変貌していきます。自己の芸術を見出すため葛藤、模索し、やがてパリの下町をモチーフに描き続けるようになるのです。
1926年には健康上の理由によりやむなく一時帰国するものの、翌1927年には再度パリへと渡り、サロン・ドートンヌに出品し入選するなど、旺盛に制作活動を続け、パリの街角や古い壁、郊外の建物や教会のある風景を、奔放かつ洗練された筆勢をいかし描きましたが、翌年持病の結核が悪化し、30歳の生涯をとじました。 スケッチ旅行を共にするなど、親交のあった荻須高徳は「佐伯さんはいつもこう言っていた」と、語っています。「ぼくの絵は純粋か、純粋でないか。本当か本当でないか、それを言ってくれ」と。 30年という短い生涯を「描くこと」ただそれだけに、純粋にささげた、佐伯祐三の芸術を、心ゆくまでご鑑賞ください。

出展作品リスト

佐伯祐三《パリの街角》1925/山王美術館蔵

佐伯祐三《パリの街角》1925/山王美術館蔵

山王美術館 秋・冬季コレクション展 2011

山王美術館
近代洋画セレクション展 今へと受け継がれる、美の系譜。
珠玉のコレクションでつづる近代洋画の歩み。

2011年10月20日(木)〜2012年1月29日(日)

私たちにとって、もっとも親しみやすい近代絵画。
それは現代社会に通じる美の宝庫であるとともに、それまでにない、あらゆる表現の可能性が試された、豊かな時代でもありました。本展ではこうした19世紀から20世紀にかけて活躍した巨匠の作品を、当館コレクションの中より紹介します。

出展作品リスト

ジャン・フランソワ・ミレー《鶏に餌をやる女》1851-53/山王美術館蔵

ジャン・フランソワ・ミレー《鶏に餌をやる女》1851〜53/山王美術館蔵

山王美術館 春・夏季コレクション展 2011

− Leonard Foujita Exposition −藤田 嗣治展愛に満たされる、至高の芸術。

2011年4月28日(木)〜9月19日(月・祝)

1913年、27歳でフランスへの留学を果たした藤田嗣治は、モンパルナスにアトリエを構え、モディリアーニ、スーチン、ピカソらと交友しながら、彼らの自由な芸術表現に刺激をうけ、日本で学んだアカデミックな絵画技法から解放され、自己の芸術表現を探究しはじめます。やがて、日本画の技法をも油彩画に取り入れ、洋の東西、伝統、文化をも超越し藤田独自の芸術へと昇華させていくのです。 なかでも「乳白色の肌」とよばれた肌そのものを感じさせるつややかな画布に、優雅かつ繊細な線描で描かれた裸婦像に代表される作品群は、パリ画壇において絶賛をあび、エコール・ド・パリの代表的な画家として活躍するようになりました。
本展覧会では、パリ最初期に描かれた希少な風景画から、藤田の代名詞ともいうべき自画像、婦人像、またフランス国籍を得て後に好んで描いた、子ども、母子像など、晩年にいたるまでの作品25点を展示いたします。
描かれない余白に宿る純粋な精神性と、美の神髄をきわめた無垢なる線描により生み出された、気品あふれる作品からは、日本人としての誇りを抱きつつ、世界に生きる画家として生きた藤田の、己の芸術を高めんとする、祈りにも似た願いと、あふれるばかりの愛情を感じられます。
真摯に自己の芸術を探究し、深遠なる美を希求し続けた、藤田嗣治の世界を、心で感じるままに、眼でふれるように、ぜひご鑑賞ください。

出展作品リスト

山王美術館 秋・冬季コレクション展 2010

荻須 高徳展 パリに生き、パリの心を捉えた画家

2010年11月3日(水・祝)〜2011年4月3日(日)

1927年にフランスに渡りパリの街角や都市風景を独特のタッチで描き続けた荻須高徳。
26歳ではじめてパリに渡った荻須は「フランスに来て一番驚いたのは石だ」「家が私にまるで生きているかのように話しかけてくる」と、はじめて見る石造りのパリ街区に感嘆の思いを語り、古い建物や裏通りを題材に、創作活動を続けました。歴史がしみこんだ石造りの建物を描きつつ、そこに生活する人々の息遣いまでもを表現した作品は、「ポエジー・詩情」とパリの批評家たちに評され、ヨーロッパ各地で多くの人々に賛美されたのです。
戦後は日本人画家としてはじめてのフランス入国をゆるされ、いちはやくパリにもどり精力的に制作活動に取り組み、晩年は松方コレクションの日本返還、日本初のルーヴル美術館展の開催などに尽力し、日仏文化の交流にも努めました。
〝La Vie―生命なのだ〟と、風景が彼にもたらす魅力を語った荻須高徳。生涯パリを愛し、パリに生き、パリの心をとらえた、情感溢れる世界を、ぜひご覧ください。

出展作品リスト

山王美術館 春・夏季コレクション展 2010

ルノワール・
梅原龍三郎展描くことは生きる悦び

2010年4月22日(木)〜10月11日(月・祝)

「絵とは愛すべきもの、たのしく美しいもの」と、描くことを生涯愛した印象派の巨匠ルノワール。
20才でパリに渡った梅原龍三郎は、その生き生きとした色彩に魅了され、南フランスのカーニュに住むルノワールのもとを訪問します。「君は色彩を持つ」と天性の才を評された梅原は、幾度となく彼のもとを訪れ、直接指導を受けるようになります。5年間の留学をへて帰国した梅原は、パリ時代に培った豊潤かつ明快な色彩に、浮世絵、琳派、南画など日本画の伝統を融合させ、日本の風土にそった油彩画の確立を目指し、独自の画境を築きあげ、近代日本を代表する画家となります。
二人の画家が生み出す、豊麗な色彩の魅力あふれる世界をお楽しみください。

出展作品リスト

ピエール=オーギュスト・ルノワール《裸婦》1915頃/山王美術館蔵

ピエール=オーギュスト・ルノワール《裸婦》1918/山王美術館蔵

山王美術館 コレクション展 2009

小磯良平・金山平三展 静謐な美の極み

2009年12月3日(木)〜2010年3月28日(日)

優れた素描力と計算された構図、巧みな空間処理で、洗練された女性像を多く描いた小磯良平。深みを秘めた色彩表現と安定した画面構成により、日本の風景画を描き続けた孤高の画家、金山平三。
神戸に生まれ生涯を通じ真摯に創作に取り組んだ二人の作品を展覧します。

出展作品リスト

山王美術館 開館記念展

藤田嗣治・荻須高徳・
佐伯祐三展パリを愛し、パリに魅了された画家たち

2009年8月27日(木)〜11月3日(火・祝)

1913年にフランスへと渡り、白磁を思わせる独特の透き通るような画風でパリの人々を魅了し、エコール・ド・パリで活躍し、1955年フランス国籍を得た藤田嗣治。1927年にフランスに渡り、パリの街角や都市風景を独特のタッチで描き続けた荻須高徳。そして画家としての短い活動期間の大半をパリで過ごし、パリの街角や郊外の風景を、奔放かつ洗練された筆致で描いた佐伯祐三。パリを愛し、パリに魅了された三人の画家による作品を中心に展覧します。

出展作品リスト

佐伯祐三《巴里街景》1924/山王美術館蔵

佐伯祐三《巴里街景》1924/山王美術館蔵