展覧会のご案内

山王美術館 10周年記念展 コレクションでつづるフランス近代名画展

期間
2019年31日(金)~731日(水)
開館日
毎週 月曜日~金曜日
(月~金曜日の祝日は開館)
開館時間
11時~17時(最終入館 16時30分まで)
入館料
一般1,000
大学・高校生500
小・中学生500円(保護者同伴に限り2名様まで無料)
※学生証をご提示ください。
※受付にてチケットを販売しております。
会場
山王美術館 ホテルモントレグラスミア大阪 22階 〒556-0017 大阪市浪速区湊町1-2-3 
お問い合せ
TEL 06-6645-7111(代表)

コレクションでつづるフランス近代名画展 ―出品リスト

ピエール=オーギュスト・ルノワール≪果物をもった横たわる裸婦≫1888年、山王美術館蔵

ピエール=オーギュスト・ルノワール≪果物をもった横たわる裸婦≫1888年、山王美術館蔵

 

山王美術館は、2019年8月に開館10周年をむかえます。
春・夏季のコレクション展では、10周年を記念して「コレクションでつづる フランス近代名画展」を開催いたします。
19世紀から20世紀にかけてのフランス美術は、印象派以降、象徴主義、ナビ派、フォーヴィスムと、さまざまな主義や美学のもと、多様に展開していきました。画家自身の感覚にもとづく、独創的な絵画をめざした芸術運動により、革新的な絵画表現がうみだされ、ルネサンスからはじまる西洋絵画の価値観が大きく変革することとなりました。同時代に活躍した、ミレー、ルノワール、モネ、ボナール、ヴラマンクをはじめとする画家たちにより、西洋絵画史に多彩かつ豊かな実りがもたらされたのです。
本展では、当館においても非常に重要な位置をしめる、これらの作家たちによるフランス近代名画の数々を一堂に展示いたします。展覧会をつうじて、あらためて芸術にふれる喜びを実感いただきますとともに、山王美術館コレクションへの愛着を深めていただければ幸いです。

  • ジャン=フランソワ・ミレー≪鶏に餌をやる女≫1851-53年、山王美術館蔵

    ジャン=フランソワ・ミレー
    ≪鶏に餌をやる女≫1851-53年
    山王美術館蔵

  • バルビゾン派(19世紀半ば)

    19世紀のフランスは急速な産業革命が進むなか、新たに台頭した中産市民階級の趣味を反映するように、より分かりやすく、受け入れやすい主題として、肖像画や風景画が求められるようになりました。こうした潮流のなか、バルビゾン村に居を構えた画家たちは、理想化した風景ではなく、ありのままの自然の姿から絵画の着想を得た、身近な自然を主題とする自然主義的な風景画を描いたのです。バルビゾン派の画家たちのこうした姿勢は、のちの印象派にも影響をあたえ、近代フランスにおける新たな風景画の流れをもたらしました。

    【出品作家】ジャン=バティスト=カミーユ・コロー、ジャン=フランソワ・ミレー

  • クロード・モネ≪オシュデ家の子ども達≫1880年代初頭、山王美術館蔵

    クロード・モネ
    ≪オシュデ家の子ども達≫1880年代初頭
    山王美術館蔵

    ピエール=オーギュスト・ルノワール≪裸婦≫1918年、山王美術館蔵

    ピエール=オーギュスト・ルノワール
    ≪裸婦≫1918年
    山王美術館蔵

  • 印象派(19世紀後半)

    19世紀のフランス絵画は、歴史画を優位とし伝統的な技法を遵守するアカデミスムが、いまだ主流でした。こうした時代において、あらわれたのがのちに「印象派(印象主義者)」と称される画家グループです。モネ、ルノワールらを中心とする印象派は、クールベやマネによる写実主義を継承しながらも、アカデミックな価値観にとらわれない、新たな絵画表現をめざしました。
    彼らは、筆触分割と視覚混合による独自の技法を生み出しましたが、明るさを失うことなく、戸外の光を表現することを可能としたこの技法は、ルネサンス以来の西洋絵画における色彩の観念を、根底から覆すものでした。
    1874年には、画家たちだけの手によるグループ展を開催。「印象派」の名称は、この第一回展に出品されたモネ作≪印象、日の出≫に由来します。
    本展では、印象派の中核を担ったモネとルノワールの作品を展示します。なかでも、ルノワールは、印象派時代を経て古典へと回帰し、晩年の豊潤な色彩表現へと到るまでの作品を、コレクションの中より展示します。

    【出品作家】クロード・モネ、ピエール=オーギュスト・ルノワール

  • オディロン・ルドン≪アポロンの二輪車と大蛇≫1905年、山王美術館蔵

    【初展示】オディロン・ルドン
    ≪アポロンの二輪車と大蛇≫1905年
    山王美術館蔵

  • 象徴主義(19世紀後半)

    1880年代半ば以降、反印象主義的な傾向をしめす新たな絵画動向が出現します。それは、印象派が目指した光と色彩の追求により失った明確な形態を、画面のなかにふたたび復活させようとする試みでもあり、印象派の限界を超えようとする動きでもありました。スーラやシニャック、セザンヌ、ゴッホ、ゴーガン、ルドンをはじめ、印象派を批判的にのりこえようとした絵画の潮流は、のちに「ポスト印象派」と呼ばれるようになります。このうち「象徴主義」は、1886年のJ・モレアスによる「象徴主義宣言」に由来する芸術運動です。絵画においては、印象派が追求した眼に見える世界を忠実に再現しようする写実的・自然主義的傾向への反動として、幻想や神話をふくめた眼に見えない世界や、主観性、内面世界などの表現を重視しました。
    象徴主義の先駆者的立場として、思想と霊感を源泉として魂の神秘や幻視の世界を描いたルドンは、次世代のナビ派へも大きな影響を与えました。本展では、ルドンが好んで描いた、ギリシア神話を主題とする≪アポロンの二輪車と大蛇≫を、初展示します。

    【出品作家】オディロン・ルドン

  • ピエール・ボナール≪クリシー大通りまたはパリ街景≫1900年、山王美術館蔵

    【初展示】ピエール・ボナール
    ≪クリシー大通りまたはパリ街景≫1900年
    山王美術館蔵

  • ナビ派(19世紀後半)

    「ナビ」とはヘブライ語で「預言者」を意味する言葉です。ゴーガンが確立した「総合主義」の影響のもと、1880年代末から1890年代に活動しました。
    初期には印象派の手法で描いていたゴーガンですが、視覚の純粋性を重視するあまり形態が失われてしまう印象派の傾向に疑問をいだくようになります。そこで、モティーフを太く強調した輪郭線で単純化してとらえ、平坦な色面で構成する新たな技法を生み出しました。1888年、ポン=タヴァン滞在中のことでした。
    同年の秋に同地にてゴーガンに教えをうけたセリュジェを中心に、アカデミー・ジュリアンに在籍する、ヴュイヤール、ボナール、ドニらによりパリで結成されたのが「ナビ派」です。ゴーガンの反印象主義の思想を継承したナビ派の作品は、装飾的な構成と大胆な色づかい、内面的な表現を特徴とします。
    本展では、ナビ派を代表するボナールの作品を初展示します。背景に人物が溶けこむように描かれた装飾的な初期作品からは、印象派をへて到達した絵画表現のちがいを顕著にみることができます。

    【出品作家】ピエール・ボナール

  • モーリス・ド・ヴラマンク≪マルヌ川のヨット≫1908年頃、山王美術館蔵

    【初展示】モーリス・ド・ヴラマンク
    ≪マルヌ川のヨット≫1908年頃
    山王美術館蔵
    © ADAGP , Paris & JASPAR, Tokyo, 2018 G1534 

  • フォーヴィスム(20世紀初頭)

    1905年のサロン・ドートンヌ第七室には、若い画家たちによる作品が集められました。評論家の一人がこの部屋の様子について、「野獣(フォーヴ)に囲まれたドナテッロだ」と評したことから、「フォーヴィスム」という名称がうまれました。
    マティスとマルケ、ドランとヴラマンク、デュフィとブラックなど、いくつかのグループにより構成されていました。彼らは、ゴッホ、ゴーガン、スーラ、シニャック、セザンヌの影響のもと、原色を多用し、色彩による画面構築をめざした、鮮烈な色彩表現による作品をうみだしました。このことから、フォーヴィスムは「色彩の解放」と評されることもあります。
    1905年から1906年のわずか2年間を絶頂期として、やがてキュビスム、構成主義、古典回帰とそれぞれの関心が移行していきます。活動としては短命におわりましたが、フォーヴィスムによる色彩表現の革新性は、20世紀絵画に大きな影響を残したのです。
    本展では、フォーヴィスム以降、セザンヌの影響を受けながらも、やがて独自の作風を築き、里見勝蔵、佐伯祐三ら日本人画家にも多大な影響を与えたヴラマンクの作品を展示します。

    【出品作家】モーリス・ド・ヴラマンク

  • モイーズ・キスリング≪二人の少女≫1941年、山王美術館蔵

    モイーズ・キスリング
    ≪二人の少女≫1941年
    山王美術館蔵

    藤田嗣治≪椅子に座る婦人像≫1925年、山王美術館蔵

    藤田嗣治
    ≪椅子に座る婦人像≫1925年
    山王美術館蔵
    ©Fondation Foujita / ADAGP, Paris & JASPAR, Tokyo, 2018 
    G1534

  • エコール・ド・パリ(20世紀初頭)

    20世紀はじめ、「芸術の都・パリ」には、世界各地より多くの芸術家が集いました。若い芸術家たちは、モンマルトルの「バトー・ラヴォワール(洗濯船)」や、モンパルナスの「ラ・リューシュ(蜂の巣)」といった集合アトリエに集住し、制作に励んだのです。
    のちに「エコール・ド・パリ(パリ派)」と呼ばれるようになった一群の芸術家たちは、おもにモンパルナスを中心に集まった、異邦人の画家たちでした。明確な美学や様式、理論のもと制作にあたったわけではありませんが、フォーヴィスムやキュビスムなど最新の絵画表現に影響をうけながらも、具象を追求し、自らの国民性や民族性に根差した、独自の画風を確立することをめざしたのです。
    本展では、キュビスムを経てエコール・ド・パリの新進作家として活躍したマリー・ローランサン、エコール・ド・パリの代表的画家と見なされるポーランドのキスリング、日本の藤田嗣治の作品を展示します。

    【出品作家】マリー・ローランサン、モイーズ・キスリング、藤田嗣治