山王美術館

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川合 玉堂 Kawai Gyokudo
1873-1957

愛知県に生まれ、青梅市にて没。
本名は芳三郎。
幼少より絵画に親しみ、1887年京都に出て望月玉泉門下、後に幸野楳嶺門下で円山四条派を学ぶ。1890年第3回内国勧業博覧会に出品し褒状を得、同年玉堂と号す。1896年に上京し橋本雅邦の門下に入る。1907年に開設された文展の審査員を命じられ以後は審査員をつとめるとともに、文展へ出品した。明治・大正・昭和に渡り、近代日本画壇の中心的存在として活躍。四条派の写実と親しみ深さ、狩野派の品格を巧みに融和させ、日本の風景の美しさを平明かつ詩情豊かに描いた。

川合玉堂《柳渓洗馬》、山王美術館蔵

柳渓洗馬


絹本彩色
70.0×89.3㎝

Washing a Horse in a Stream


Color on silk
70.0×89.3㎝

画面のほぼ半分を占める堂々たる老木と、その枝に抱かれるように一日の労働を終えた馬と人、それらすべてが命の源泉である水の流れに寄り添うように配置され、互いに何者をも威圧することなく、調和し、充足した世界をここに見ることができるのではないでしょうか。そうした自然が決して理想ではなく、少なくとも画家の生きていた時代にはまだ現実として存在していたことを、この絵は静かに語っているようにも思われます。

川合玉堂《急流》、山王美術館蔵

急流


絹本彩色
57.5×72.5㎝

Rushing Stream


Color on silk
57.5×72.5㎝