平櫛　田中 Hirakushi Denchu
1872-1979

岡山県に生まれ、東京都小平市にて没。
本名は倬太郎。
旧姓は片山。1875年に田中家、1882年に平櫛家の養子となる。
1893年大阪の人形師・中谷省古に弟子入りし木彫りの手ほどきをうける。上京した翌1898年、高村光雲に学び、禅僧・西山禾山の臨済録の提唱を聞く。1907年、岡倉天心の提唱により、光雲門下の山崎朝雲、米原雲海らと木彫の研究団体である日本彫刻会を結成。翌年、第1回展に出品した《活人箭》が天心に認められる。1914年の日本美術院の再興に参加。第1回展の会期中に同人に推挙される。西山禾山と岡倉天心から思想面における影響を多大に受けるなかで、深い精神性を宿す作品群を制作。また、古様にならい彩色を施した彫刻にも取り組んだ。伝統的な木彫技術と西洋塑像をも吸収した写実的な作風が特徴である。